ギラン・バレー症候群は一般的に手足の先から動き辛くなり、その範囲は体の中心へと広がっていきます。多くの場合、半月から一ヶ月で症状はピークとなります。もし、ウィルス感染やワクチン接種から二週間程度で手足が痺れる、動き辛い等の症状が現れた場合は、ギラン・バレー症候群の可能性が考えられますので、神経内科を受診することを強くお勧めします(発熱を伴うことも多いようです)。



うがいをした時に口が膨らみ辛いと感じたのが始まりでした。徐々に喋り辛い、食べ辛い、飲み込み辛いといった、口と喉の症状が現れました。これらに遅れて、手先が痺れ始め、次第に手や足に力が入りにくくなりました。神経内科を受診し、精密検査を受けた結果、ギラン・バレー症候群と診断され(脱髄(だつずい)型と軸索(じくさく)型の混合型と診断)、入院することになりました。
翌日には体がまったく動かなくなり、呼吸もできなくなってきたため、人工呼吸器を使用することになりました。唯一動かすことができたのは両目のまぶただけでした。
手足の先ではなく、口や喉から症状が現れ始めたことや、症状がピークになるまで二日程度だったことは、一般的に言われているギラン・バレー症候群の症状とは大きく異なっていました。

私は、発症のおよそ二週間前にインフルエンザの予防接種を受けていました。インフルエンザワクチンがギラン・バレー症候群の原因の一つとして報告されていることや、ワクチンを接種してから発症するまでの日数が二週間程度だったことなどを考慮し、インフルエンザの予防接種が原因で発症した可能性が高いと診断されました。



血漿(けっしょう)交換療法と免疫グロブリン大量療法を行いました。これらは、神経細胞がそれ以上傷害されないようにするためのものです。一旦傷害されてしまった神経細胞を積極的に再生させる治療法は今のところ確立されておらず、運動神経が自然に回復してくるのを待つしかありません。